不良債権とは何か説明いたします
不良債権
Bad loans
金融機関が融資した後、約束通りに返済されなくなった貸出金のことです
金融機関のバランスシートに、利益を生まない資産として計上されています
融資先が倒産した破綻先債権、利息や元本の返済が遅れている遅延債権などが代表例です
政府は2001年4月にまとめた緊急経済対策の中で、主要銀行に対して「破綻懸念先」以下で査定した企業向けの債権を2~3年でバランスシートから落とすように求めました(分類債権)
不良債権の最終処理
Final disposal of non-performing loans
金融機関が不良債権を貸借対照表(バランスシート)から完全に切り離して処理を終えることです
貸倒引当金を積んで回収不能になるのに備える間接処理とは異なり、地価下落などにより担保価値が目減りしても追加処理を繰り返す懸念がありません
金融機関の不稼働資産が減って、収益を生む成長分野に資金を供給できるようになるなどの効果も見込まれます
方法は、企業の倒産に伴う貸出金の直接償却、バルクセールなどによる外部への売却、債権放棄など私的整理の3通りがあります
私的整理
Bankruptcy proceedings outside legal framework
経営不振に陥った企業を貸し手金融機関など限られた利害関係者の話し合いによって再建しようとすることです
金融機関の債権放棄と当該企業の再建計画とがセットになっている場合が多いです
迅速な処理が見込める半面、関連法規に基づいて裁判所の関与で再建・清算などの道筋が決まる法的整理に比べて透明性が欠ける場合もあるとされています
債権放棄
Debt forgiveness
取引先企業の経営再建を支援するため、金融機関が貸出債権の一部を放棄する方法です
企業が再建を果たして、金融機関が残りの債権を確実に回収できることが前提の手法になります
債権放棄の実行には、一般に経営責任、貸し手責任、株主責任の厳格化と将来展望の4つが必要不可欠の条件とされています
2001年に「私的整理ガイドライン(指針)」が金融界・産業界で合意作成されました
不良債権の証券化
Securitization of bad loans
金融機関が保有する不良債権などを有価証券に転換することです
高利回りの金融商品にすることで機関投資家への販売が容易となり、不良債権残高を圧縮できます
米国では、企業の資金調達・財務体質改善の手段として一般的で、日本でも本格化しつつあります
銀行などが抱える不良債権の最終処理の手段として注目されています
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