どちらかといえば、【ROA】の方が重要!
海外の投資家では【ROE】の方を重要視している傾向もありますが、【ROE】だけで判断するのは危険です。
ROE・ROA
ROEは『株主資本当期純利益率』、ROAは『総資産利益率』で、企業の収益性(生産性・効率)を評価している指数で、自分のお金でどれぐらい利益を生み出しているのか経営の効率の良さを表しています。
ROE『株主資本当期純利益率』とは?
ROEは、株主の資本(自己資本)に対してどれぐらい効率的に利益(リターン)を増やしているのかを表しています。企業の成長性・経営状態を分析できます。自己資本とは、株主から取得した資金と企業が今まで売り上げてきた利益の総額のことです。
*ROEは8%以上が平均値
*ROEが12%以上あれば優良企業(高効率先)と見做される可能性が高い
【計算式:ROE = 当期純利益 ➗ 自己資本 ✖ 100】
ROEには、負債額が含まれていないため株主資本と他人資本の割合を変更させることで簡単に数字を変えることもでき、多額の負債があっても大きな数字となる場合もあるため平均値以上であっても注意が必要です。(借金で経営に使えるお金が増えても、ROEの数値が高くなる)
借金をすることで、成長性が高くなる場合もあるので一概に借金で数字が高くなることが悪いわけではありません。海外では特に、借金してでも多く投資を実施することが良いとされてる考え方もあります。ROEで判断する場合には、借金の内容を決算書や企業の動向で読み解き企業に見合った借金なのかどうか、ROEが高くなっている理由を理解する必要があります。
ROA『総資産利益率』とは?
ROAは企業の所有する総資産(純資産も負債も含めた金額)に対して、どれぐらいのリターンがあったのかを示しています。利益を総資産で割った比率ですが、業界によっては成長性が企業のブランドや営業力などの資産に反映されにくい場合もあり、実態より低い数字となってROAだけでは判断が難しい場合があります。
*ROAは3%以上が平均値
*7%以上のROAで優良企業と考えられている。
【計算式:ROA = 当期純利益 ➗ (自己資本+負債 = 総資産)✖ 100】
企業の利益が上がればROAの数字も上がり、総資産が増えればROAが減ります。ROAが高ければ、少ない総資産で、より高い利益を上げることができている企業だと言えます。
ROAでは、借金で先行投資をすると下がってしまうので注意が必要です。
まとめ
ROEとROAは、分子がそれぞれ違うためROEは特に株主にとって重要な数値でROAは経営者や企業全体の業績を把握するために重要な数値だと言えます。
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