日韓関係をよくするためには(日韓改善への課題・アメリカの要望)

時論公論
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北朝鮮がおよそ1年ぶりに日本海に向けて弾道ミサイルを発射させました

中国は軍備拡張を進めており、東アジアを取り巻く安全保障の環境は日増しに悪化しています

悪化している状況で日韓がいがみ合っていいのでしょうか。

先週、”日韓関係ほど重要な関係はない”とアメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官が日韓を訪問したのに合わせて、バイデン政権がメッセージを発信しています。日韓関係の今後と、アメリカを含む日米韓の連携に関して考えていきたいと思います。

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3月25日時論公論~日米韓、3カ国の協力の重要性

なぜ日米韓の協力が必要なのか?

◆先週、日本と韓国に訪問したアメリカのブリンケン国務長官らの説明内容◆

“自由で開かれたインド太平洋の平和と繁栄の維持には、日米韓の協力の強化が必要”

日米韓の協力が強化されることで、全員がより強くなれる

冷え切った日韓関係を改善するためにはどうしたらいいのか?

力によって国際秩序を脅かしている中国や核・ミサイル開発を辞めない北朝鮮に対抗していくためには

日米韓の協力を軸として民主主義国家の鉄則が必要

日本と韓国が対立していると、せっかく用意した自由で民主主義の枠組みに他の国を招き入れることができない

ここ最近の韓国ムン大統領の発言(バイデン政権の発言も配慮してかの変化か?)

・アメリカのバイデン大統領の就任式の2日前に開かれた韓国ムン大統領の年頭1月の記者会見

“過去は過去であり、両国関係の未来志向的な発展を進めていかなければならない”

・今月3月1日に実施された独立運動記念日の式典での演説

“われわれは、いつでも日本政府と向き合って対話する準備ができている”

日本との不幸の歴史は忘れることはできないとするものの、

両国はお互いにとって非常に重要な隣国になったとも発言している

日韓関係の関係を阻む問題:太平洋戦争時代の問題

「徴用」をめぐる問題

・3年前、韓国の最高裁判所で日本企業に賠償を命じる判決が確定し、原告側が差し押さえていた日本企業の資産を売却し現金化する手続きが進められている。

これに対して、ムン大統領は日本政府はもう少し謙虚な姿勢をもつべきだと発言(2019年11月)

(最高裁判の)判決は韓国で最高の法的権威と執行力をもつとも発言している(2020年8月)

⇒司法の判断には、介入しない方針だった

しかし、今年1月の記者会見での発言では、日本企業の資産を売却して現金化する動きは韓日関係に相応しくない。外交的な解決を模索することが優先と発言し直している。

この問題は1965年に実施された日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みとする日本政府の発言と立場を理解した発言とも捉えることができる

◆慰安婦問題

2015年の12月に、両国の外相が記者会見を実施し完全かつ不可逆的に解決したはずだった

この問題に対して、2017年12月にムン大統領は”(慰安婦合意は)手続き的にも内容的にも重大な欠陥があった”とし蒸し返して厳しく批判していた

⇒2021年1月の会見で、『合意は両国政府間の公式の合意だった』と初めて認めた

韓国の政府によるところ、先週ソウルで会談したアメリカのブリンケン国務長官に、韓日関係は極めて重要であり関係修復のために努力すると伝えている。ただし関係修復のためにどのように対応していくのは具体的な措置や方法の説明はされていない。

⇒日韓関係の改善を求めているバイデン政権の意向を強く意識している。これまでの日本への対応と変化しつつある。

日韓関係を改善させるためにはどうしたらいいのか

日韓関係を改善するために期待されているのは東京オリンピック・パラリンピックの存在

3年前2018年に韓国で開催された平昌冬季オリンピックでは、南北友和が一気に進んだ

・南北首脳会談やベンチョウ首脳会談が実施できた

南北関係の改善が最優先の韓国にとって、東京オリンピック・パラリンピックを機に南北や米朝の対話を進めたいため、日韓関係も改善しておきたい思惑があるかもしれない。

ムン大統領の任期は残り1年あまりで東京オリンピック・パラリンピックは最後のチャンスになるかもしれない。

ただし、徴用を巡る問題も慰安婦問題も両国の立場に隔たりがあり歩み寄りは容易ではない

日本側は韓国が解決のための具体策を示すべきという立場であるが、待っているだけでなく信頼関係を取り戻し、意見の隔たりを埋めていく努力をしていく必要がある

太平洋戦争時代以外の問題・課題

・対中国や対北朝鮮への認識に温度差がある

アメリカ政府高官との会談でも韓国から中国の脅威の言及はなく、北朝鮮の非核化に関しても楽観的な見方が韓国は日本より強い

◆韓国の今後

ソウル・プサン市の市長選挙(4月7日)

来月市長選挙が実施され、来年3月には、次の大統領選挙に向けた候補者選びが本格化する

◆日本の今後

来月には、衆議院と参議院の補欠選挙や再選挙、秋までには衆議院選挙も開催される

⇒選挙に向けて、内向きの政権運営となる可能性がある

選挙が続くなかで、日韓関係を改善していくのはより難しい状況となるかもしれませんが、日韓関係の改善は重要だと世論に流されすぎず把握して、少しでも改善できるように進めていってほしいです。

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