~半導体への戦略~

時論公論
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半導体の需要が伸びています

半導体不足に対し、各国が半導体の生産や開発を国家戦略として捉え積極的な政策を行っています

日本はどのように対応していくのか考えます

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2月11日時論公論~半導体不足の背景

解説委員:櫻井 玲子(経済担当)

自動車やスマートフォン、家電製品を生産させるために必須の半導体が足りない

半導体は、スマートフォン、パソコン、自動車とあらゆる電子機器に搭載され、デジカル化への進展で半導体への需要は年々高まっている

半導体が世界的な奪い合いになっている

日本のメーカーが半導体が足りないために生産を減少させる動きが起こっている

半導体がなければ、自動車も家電も作ることができない

そして、半導体不足は一時的な要因にとどまらない状況になっていっている

世界で何が起こっているのでしょうか

米中の主導権争い

半導体不足の要因

アメリカ政府が中国の半導体大手に輸出規制をかける可能性がある

そのため、企業が在庫を積み増す動きが加速している

ヨーロッパが進めているグリーンエコノミー政策が脱炭素化に向けて、省エネの半導体への需要が伸びている

この影響で自動車に廻る半導体まで足りない状況になっている

欲しい半導体が欲しいときに手に入らない事態になりかねない状況になるのではと懸念されている

世界の「デジタル化」と「脱炭素化」の流れが半導体不足へ

国産化への対応

半導体を制すものが世界を制す!?
各国で半導体を国産化にしようとする動きが活発になっているようです

アメリカ:国産化への対応

アメリカはスローガンとして

”Chips for America(チップス フォー アメリカ)”

“半導体をアメリカに”と掲げ半導体をアメリカの重要な戦略的物資としている

政府はアメリカへの半導体の工場誘致や設備の導入で1件あたり最大で日本円で3,000億円程度を支援する方針を発表した

10件を決めれば、3兆円規模のビッグプロジェクトとなる

2020年秋に、世界最先端の技術を持つ台湾の半導体大手「TSMC」のアリゾナ州への工場融資を決定している

中国:国産化への対応

中国でも5兆円の資金を半導体の技術開発に充て力を入れている

中国は、世界の携帯電話の9割、パソコンの3分の2以上を中国が生産しているが、それを作るための半導体は海外からの輸入に大きく依存している

半導体を売ってもらえない事態が続けば、国の生産活動に大きく影響してくるため国内で半導体が作れるようになることが大きな課題

そのため優秀な人材を海外からも受け入れ

2025年までに半導体の自給率を今の20%以下から70%まで高めることが目標となっている

輸出管理・禁止への対応

輸出事情が日本にも影響してくる可能性ある

アメリカは、通信大手のファーウェイなど中国企業150社以上を対象にアメリカの技術を使った製品の輸出を禁止した

第三国を通した再輸出も禁止しており、日本から中国に輸出する際もアメリカの技術を一部使っている場合販売することができないため、日本のメーカーにも大きく影響してくる

アメリカと関係の深い国を中心に、「多国間半導体セキュリティ基金」を設立しようとする動きも起こっている

中国への半導体輸出を管理することを目論んでの創設と考えられる

中国では、中国との取引、自粛する企業を「信用できない会社リスト」に掲載し、中国での事業を困難にさせる企業として、中国で警戒されている

問われる日本の戦略

日本は、アメリカが発表している150社以上の半導体輸出禁止の企業と、中国が発表した信用できない会社リストとの板挟みの状態になる

日本は、かつて半導体大国と呼ばれ、今でも一部の半導体やシリコンウエハーと呼ばれる部品、化学薬品では世界トップシェアや技術を持っているが

人工知能やデジタル化の発達で、これから最も伸びると言われている最先端技術は

「ロジック半導体」

「ロジック半導体」は、世界最大と言われる台湾のTSMCや韓国のSAMSUNGがトップで

太刀打ちできるような企業は日本にはない

半導体の研究開発も日本では、わずか2,000億円で、アメリカの3兆円や中国の5兆円と比べると桁がひとつ少ない状況となっている

これから日本が国際的な立場を維持するためにも
日本メーカーが安定した調達を続けるためにも
今後も世界に通じる産業競争力を持つためにも海外の力を取り込む必要がある

開発資金が少ないため、有力な半導体メーカーを日本に誘致することが重要ではないかと考えられている

◆日本の今後の対応◆

①台湾TSMCとの共同開発

2021年2月、今週に決まった台湾TSMCの日本での開発拠点の設立である

茨城県つくば市にある産業技術総合研究所の施設を使った日本企業との共同開発に取り組む

日本政府の採算の招きに応じたTSMCだが、TSMCにもメリットはある

日本の自動車メーカーとも一緒に取り組み、日本初の新しいアイデアが生まれてくる可能性があり

好循環が生まれる可能性があることである

②省エネ半導体の開発

省エネ用の半導体を重点的に開発していく

半導体の高度化で消費エネルギーが増えており、消費電力が大きくなっていることが課題のため

脱炭素化へも踏まえて、日本独自でも研究開発を進めていくことに力を入れていくべきである

各国が半導体の重要性に気づいた今、日本が半導体でトップクラスでいつづけるためにも、半導体開発・技術向上に日本政府と日本企業が一体となって力を入れていく必要あります

海外のスピードに遅れを取られないような対策が必要です

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