~中国が海警法を施行~

時論公論
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今月2月1日に、中国が海警法を施行しました

海警法は国際法に違反した内容が含まれている可能性が高く、日本への影響が強く懸念されます

海警法によって、どのような懸念点があるのか、また今後日本はどのように対応していくべきか考えていきます

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2月10日時論公論~海警法とは何か

解説委員:梶原 祟幹(政治担当)

海警法とは何か

沖縄県の尖閣諸島周辺で活発的な活動を続ける中国高専が所属する海警局の権限などを定めた中国の法律

今年2020年2月1日に施行された

海警法は国際法に違反する内容が含まれているとされており、日本を始め国際社会から懸念が示されている

◆海警法を定めた経緯◆

・海警局を含む海警機関の権限などを定めた内容

・今まで海警局は東シナ海や南シナ海などで活発に活動していたものの、海警局の権限への根拠となる法律はなく通達程度だった(活動の根拠がない状態)

・今回の海警法は海警局の主張を強めるために法律を定めたと考えられる

⇒中国が勝手に定めた法律の内容で利権を主張してくる可能性がある

海警法の内容:海警局はどのようなことができるようになったのか?

①中国の「管轄海域」で国家主権に危害を与える行為に対して、予防・制止・排除できる権限

②外国政府の船舶が「管轄海域」に入った場合には「強制退去」させることができる

③外国の組織や個人に国の主権が侵された場合には、「武器の使用」を含む一切の必要な処置ができる

海警法への懸念

具体的に海警法の施行で懸念される内容を考えていきます

海警法の懸念①

海警法施行で懸念している内容の一つ目は
◆日本が主張する権限を超えて「管轄海域」を主張してくる恐れがあること

「管轄海域」の考え方は法律に定めていない

◆管轄海域の捉え方:中国は大陸棚に関して、沖縄諸島の西側にある沖縄トラフ西側の海域まで主張しており、管轄海域に関しても沖縄トラフまで主張してくる可能性がある

現在の尖閣諸島周辺での活動も、日本の領海や接続水域まで及んでおり認められるものではない

①中国はこの海警法で尖閣諸島周辺での日本漁船を違法としてだ捕や臨検することを正当化してくるのではないか

②尖閣諸島周辺で警備にしている海上保安庁の巡視船へ強制的に退去を迫る可能性がある

③必要であれば武器を利用することも想定している可能性が高い

⇒多くの国が批准する国連海上法条約(国際法)では領海や排他的経済水域などの海域を設けて、細かく規定した内容を準拠しているにもかかわらず、海警法では国際法を無視してあたかも拡大な海域を中国の領海のように扱い私権を行使するものだと、専門家も批判している

⇒日本は中国政府に対して強い懸念を伝えた

尖閣諸島を巡って、日本・アメリカと中国の攻防

尖閣諸島周辺を防衛するために
日本とアメリカは共同対処することを定めた「日本安保第5条」がある

◆中国は、尖閣諸島への対応に海軍を用いれば、日本の自衛隊やアメリカ軍の関与も招く可能性があり、行政機関の役割を持つ海警局を用いて、行政的な対応から日本の執行管轄権にダメージを与えることを得策としているのではないかと考えれる

海警法の懸念②

海警法施行で懸念している内容の二つ目は

純粋な法執行機関を超えて
◆海警局の準軍事組織化が進んでいること

◇準軍事化へ進んでいる内容

【組織】海警局は武警(武装警察)の一組織として、武装力と位置付けた

習近平国家主席が「海警局を今後軍の統合的な作戦体系に加える」と発言している

【装備】2015年に中国国軍のフリゲート艦3隻を主砲を撤去させ船体の色を塗り替えて、海警局に引き渡した

大潟艦の中には、76mm主砲を備えている重武装の大型艦や最新艦のフリゲート艦がベースになった船もあるとされている

【人事】海軍出身者が重要なポストについている

組織面、装備面、人事面それぞれで準軍事組織化が進んでいる

現在の状況

今月2月6日に海警局の船2隻が尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入し日本漁船と接近する動きを繰り返した

今後、海域で抗戦を航行する段階から、中国が海警法の施行で法執行する段階に入るのではないか

日本の漁船に対して追尾や嫌がらせに加えて、臨検を行う可能性がある

その対抗として、日本の海上保安庁の巡視船と偶発的な衝突が起こる恐れがある

◆日本では、海上保安の体制強化と警備体制を万全にしておく必要がある

海警法の懸念③

海警法施行で懸念している内容の三つ目は

◆グレーゾーン事態への危機感が高まっていること、対応を強化する必要があり現在の対応では不十分なこと

2016年8月に尖閣諸島周辺に200~300隻の中国漁船が中国公船に守られながら侵入してきた

中国漁船の乗組員の中に、海上民兵もいた

⇒グレーゾーン事態への危機感がどんどん高まっている

例えば、陸に武装集団が上陸した場合、「海上警備行動」と「治安出動」で自衛隊が対応することになっている

そのため、海上保安が武器を使用できるのは「正当防衛」のときのみで不十分だと求められている

◆自由民主党の考え

・武器使用基準を緩和すべき

・平時から自衛隊と海上保安が連携して警備すべき

グレーゾーンへの対策を考えているが、中国海軍に介入するきっかけを与え事態を悪化させる可能性があると慎重な意見もあり様々な観点から検討する必要がある

海警法は、国際法を違反しても海域を強行的に広げる中国の姿勢を浮き彫りにさせました

南シナ海では既に中国の強硬的な現状変更が次々と起こっていますが、東シナ海はどうなるのか

これまでは、日本が海上保安庁・自衛隊・日米安保と連携して対策をとることで中国を抑えてきましたが、さらに強化させて対応していく必要がありそうです

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