
元々2020年に開催予定で、今年2021年に延長となった東京オリンピック・パラリンピックですが、森前会長が本人の女性蔑視の発言で責任を取って辞任した代わりに、橋本会長が就任しました。
東京オリンピック・パラリンピック開催まで半年を切った中、コロナ禍の中で中止の意見もあり無事に開催を進めていくことはできるのでしょうか
2月22日時論公論~東京オリンピック・パラリンピックは無事に開催できるのか~取り戻すべき信頼~
新会長就任:橋本 聖子氏(五輪7回出場、五輪大臣などの経歴)
2月、無事に橋本会長の就任が決まりましたが無事に信頼を回復して、今年の夏への開催実現に向けて対応していくことはできるのか
◆高まった不信感は払しょくできたか?
・組織委員会がすべてを決定しているように見える委員会のあり方への批判もあり、候補者検討委員会を設立、男女4人ずつの合計8人の委員によって候補を一本化させ、その後に理事会・評議委員会を経て決定するなど透明化を目指したが、委員会は非公開でメンバーの名前・人数も議論終了まで明らかにさらなかった
⇒「形だけの選考では?」という疑念が残る形となった、信頼を取り戻す大きなチャンスではあったが時間が迫られており、重要な人事を全て公開はできず完全に透明性のある形とはいかなかった
◆検討委員会が、新会長に求めた5つの資質
・スポーツへの深い造詣
・男女平等など五輪憲章などの理念実現
・組織運営力や調整力
・国際的な活動経験や知名度
・東京大会の経緯・準備状況を理解
橋本会長は、スピードスケートと自転車の選手として冬と夏のオリンピックに合わせて7回出場し銅メダルも獲得、長年参院議員に所属しオリンピック・パラリンピック担当大臣として準備状況も把握、IOC(国際オリンピック委員会)からも政府からのサポートが受けられる人が好ましいと要望もあり、会長に適任だと評価された
一方で、選手へのハラスメントがあったという指摘や元会長の森氏の後押しで政界入りしている経緯もあり後任に相応しいのか懸念も残る
このことに対して、橋本会長は、
7年前の軽率な行動に対して、当時も今も深く反省しており、また森氏は政治の師ではあるが、正すものと継承するものは区別する
と発言している
オリンピック・パラリンピック開催への課題
・今後の感染状況やワクチン接種に関して、まだ見通しを立てることができない
・今年2021年夏の東京大会「中止」:38%
多くの人が「中止」を望んでいる現状は変わっておらず、また開催する場合でも無観客など慎重な対応を求める意見も多い
コロナ禍での開催に、懸念や不安をもつ人たちからは具体的なコロナ感染拡大への対策が伝わらず開催ありきなのではないかと疑念も起こっている
⇒大会開催への対策や取り組みが伝わりにくい状況になっている
◆組織委員会とIOCはコロナ対策をまとめた手引書(プレーブック)を競技団体やアスリート毎に作成し、配布し対策を行っている
・選手は少なくとも4日に1度PCR検査を受けること
・原則として公共交通機関の使用禁止
・滞在場所の限定
組織委員会は開催可否の最終的な権限を持つIOCと連携し、大会の準備・運営しているため、開催中止と組織委員会では判断できない立場であり、開催できるように進めていく必要がある
◆信頼回復◆
・組織委員会の理事を10人以上増やし、女性理事を40%以上にする
・男女共同参画など共生社会へワーキンググループを発足させる
⇒組織改革を実施すると発表
日本全体へ信頼を回復していく必要がある
◆課題解決◆
・1ヶ月後の3月25日より聖火リレーが開始される予定だが・・
・聖火リレーのランナーを辞退する人が出たり、島根県の県知事が聖火リレー事態の中止を検討していたりと聖火リレーができるかどうか未定の状態
・海外の観客の扱いをどうするか?観客数をどうするか?
・感染防止対策の詳細は?
⇒アスリートや多くの人に安心して開催できると思ってもらえるように発信していくことが必要
⇒限られた時間で課題解決と信頼回復を目指す組織改革の同時進行が必要となっている

オリンピック・パラリンピックへの信頼とコロナ禍開催への感染防止対策・運営や開催準備とまだまだ問題が山積みですが大会開催の期限まで後わずかの状況です。限られた選択肢の中で少しでも誰もがよかったと思える結果になってほしいと切に願います。批判だけするのではなく、日本全体で一緒に創り上げていけるようになれれば自ずといい結果がついてくるのではないかと考えます。
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